Head-bar工法

Head-barの開発の背景

Head−bar 開発の背景には阪神淡路大震災があります。 阪神大震災の教訓から構造物の耐震性能を高めるために、土木分野では従来の直角フックに代わって 両端に鋭角または半円形フックを持つせん断補強鉄筋を使用することが標準となりました。
ところが、このようなせん断補強鉄筋を配筋するには、主筋と配力筋、さらにせん断補強鉄筋を複雑な順序で組立てる必要があり、施工能率が低下するばかりか、機械式継手を必要とする場合もあり、コストアップが重大な問題となります。
そこで、定着をプレートを用い確実に行い、施工性と耐震性能の向上を同時に実現した工法が、プレート定着型せん断補強鉄筋Head−barです。

Head-barの特徴

せん断補強工法用Head-bar

せん断補強工法用 Head-bar

  • Head-bar(ヘッドバー)とは、異形鉄筋の先端にプレートを摩擦圧接で接合したものです。プレートの形状は一般的に、せん断補強工法用では矩形・小径円形、定着工法用では円形です。
  • 摩擦圧接接合は、自動車産業はじめ各種基幹産業で多用される金属接合法です。機械で自動的に圧接するので、常に安定した高品質で信頼性の高い製品が得られます。
  • プレートの支圧作用により、半円形(180°)フックと同等以上の定着性能が確認されています。(付着定着から支圧定着へ)
  • せん断補強工法用Head-barは、鉄筋コンクリートの面部材(床、壁、耐圧版、ボックスカルバートの頂板、底板、側壁等)の面外方向のせん断補強鉄筋として使用が認められています。
  • せん断補強工法用Head-barは、平成24年度道路橋示方書改訂に対応した部材実験により、軸方向鉄筋の座屈を抑止する効果および部材の靭性が、「破壊までの挙動を含めて半円形フックと同等」であることを確認しており、横拘束鉄筋として使用が可能です。
  • Head-bar定着工法の使用により、在来折り曲げ定着に比べて、建物フレームの柱梁接合部における過密配筋の緩和、確実な定着性能の発揮、施工性の向上を実現します。

Head-barの形状

せん断補強工法に用いるHead−barは、矩形または円形のプレートを鉄筋端部に摩擦圧接接合した鉄筋です。
複雑な鉄筋の組立作業を確実に、簡単に、早く、を実現しました。

I-Head-bar

両端矩形プレート型(I-Head-bar)

両端矩形プレート型
(I-Head-bar)

  • I-Head-bar(アイヘッドバー)は、片端プレート型で施工困難な高過密配筋の箇所でも施工を可能とした両端矩形プレート型のせん断補強鉄筋です。両端半円形フックと同等以上の施工性で、曲げ加工を必要としません。製作工場から直接作業現場に納入できます。以前より製作していた両端(矩形+円形)プレート型タイプよりコンパクトで経済的です。

O-Head-bar

片端矩形プレート型 O-Head-bar 両端矩形プレート型 両端O-Head-bar

片端矩形プレート型
(O-Head-bar)

両端矩形プレート型
(両端 O-Head-bar)

  • O-Head-bar(オーヘッドバー)は、せん断補強用途のみで使用可能です。(横拘束用途での使用は不可)小径円形プレートを適用しているのでコンパクトで取扱いが向上します。

プレート定着型せん断補強鉄筋Head-barと従来型せん断補強鉄筋の比較

プレート定着型せん断補強鉄筋Head-bar比較表
従来型せん断補強鉄筋使用の場合 プレート定着型せん断補強鉄筋使用の場合
概略図 概略図
手順 鉄筋組立手順が複雑 下筋→上筋→Head-barせん断補強鉄筋の順に組める為、手順が簡単
特徴 概略図
  1. 配筋が複雑で配筋精度が悪くなりやすい
  2. 鉄筋量が多くなり、コンクリートの充填が難しくなる
  1. 単純な配筋で精度が上がる
  2. コンクリートの充填に有利
経済性 ---- 鉄筋減とヘッドバー加工費の増との増減比較になる
工程 組立手順が煩雑な程、工程が長くなる × 組立手順が簡単なため、工程・人工が縮減される
施工性
  1. 鉄筋ピッチ、ラップ長等を正確に確保することが困難
  2. 組立て用の足場や補助鉄筋を多く必要
  3. 狭いスペースでの組立作業が危険作業になる
×
  1. 鉄筋ピッチ、ラップ長等を正確に確保することが簡単
  2. 組立て用の足場や補助鉄筋を必要としない
  3. 狭いスペースでの作業が限定的で危険作業が少なくなる
評価

施工性

Head-barの特徴の大きな点は施工性です。両端半円形フックが非常に施工が困難であるのに対し、施工が単純なので、短期間に鉄筋組み立てができます。

Head-barの用途

Head-berは鉄筋コンクリートの床、壁、頂版等の高密な配筋箇所における、せん断補強鉄筋、橋脚、中間帯鉄筋、橋脚主筋の端部定着に適しています。

土木構造物

地下駅舎、地下駐車場、地下タンク、調整池、浄水槽、開削ボックスカルバート(道路、鉄道)、立坑側壁、トンネル二次覆工、橋台、橋脚、フーチング、アーチリブ、構造物の隅角部やハンチ部等

建築構造物

基礎版、地下壁、擁壁等

せん断補強

用途矩形プレート円形プレート

鉄筋コンクリートの床、壁、頂版等の高密な配筋箇所における、せん断補強鉄筋、中間帯鉄筋に適しています。

構造物
地下駅舎、地下駐車場、地下タンク、調整池、浄水槽開削ボックスカルバート(道路、鉄道)、立坑側壁、トンネル二次覆工、橋台、橋脚、深礎杭、フーチングアーチリブ、構造物の隅角部やハンチ部等

適用範囲

矩形プレート
せん断補強および横拘束用途に適用
なお、上記用途の重ね継手部に適用する場合は、プレート寸法が標準タイプより大きくなります。

円形プレート
せん断補強用途のみに適用

プレート寸法

矩形プレート
1.1 標準矩形プレートの寸法 【SD295、SD345適用】(横拘束用途として使用可) (単位:㎜)
1.1標準矩形プレートの寸法 【SD295、SD345適用】(横拘束用途として使用可) ※材質がSD295、SD345以外、コンクリート強度が30N/㎟以上の場合は審査証明の詳細による。

矩形プレート
1.2 重ね継手部に適用する場合のプレート寸法
【重ね継手部の鉄筋2本を同時に拘束することができるプレート寸法を採用】 (単位:㎜)
1.2横拘束用途で重ね継手部に適用する場合のプレート寸法

  • プレート側とフック側を逆にして、フック側を継手部等に掛けられる場合は標準プレートを採用。
  • 鉄筋径D38~D51で、機械式継手部にHead-barを使用する場合は別途相談のこと。
  • 材質がSD295、SD345以外、コンクリート強度が30N/㎟以上の場合は審査証明の詳細による。

2. 矩形プレートの最小寸法

矩形プレートの最小寸法

プレート寸法と鉄筋径の関係

a:(掛けられる鉄筋の径+両節高さ)×3/4+バリ量10㎜
b:(鉄筋径+両節高さ)/2
c:プレート短辺長/2

円形プレート
円形プレート寸法表(せん断補強用途のみ使用可) (単位:㎜)
円形プレート寸法表 (せん断補強用途のみ使用可)
・円形プレートの使用条件

  1. 横拘束用途として使用不可。
  2. 掛かりの違いがせん断補強効果に与える影響確認実験の結果から、半円形フックと同等のせん断耐力が得られる鉄筋の呼び径の差を3ランクまでに制限。
    ※例えば、D16で掛けられる鉄筋径はD25まで

主筋定着

用途円形プレート

杭・柱・橋脚等の軸方向鉄筋のフーチング等のようなマッシブなコンクリートへの定着に適しています。

適用範囲円形プレート

杭・柱・橋脚等の主筋端部の定着

プレート寸法円形プレート

1. 主筋定着(軸方向鉄筋)に適用する場合のプレート最小寸法 (単位:㎜)
1. 主筋定着(軸方向鉄筋)に適用する場合のプレート最小寸法

せん断補強

適用範囲矩形プレート円形プレート

プレート定着型せん断補強鉄筋(Head-bar)は、面部材(耐圧版、スラブ、壁)の面外方向のせん断補強鉄筋として、端部を従来のフックの代替として、鉄筋に取り付けたプレートにより定着を確保する構造の鉄筋である。本設計・施工指針は、建築工事においてHead-barをせん断補強鉄筋として用いる鉄筋コンクリート部材の設計および施工方法について示したものである。

プレート寸法矩形プレート円形プレート

プレート寸法
プレート寸法.pdf

施工指針矩形プレート円形プレート

受け入れ検査

  • 施工者は鉄筋およびプレートが支給される場合を除き、鉄筋およびプレートの材質をミルシートで確認する。
  • 施工者はHead-barの外観検査を実施する。
  • 主任技術者は摩擦圧接メーカーに製造関連資料(検査成績書等)の提出を要求し、これを確認する。
  • 主任技術者は製品検査における強度試験に立会うか、あるいは圧接部強度について試験体による強度試験を行うものとする。

組立ておよびコンクリート打設

  • プレート定着部を主筋に掛ける際は原則として、プレートが主筋と接触するようにし、主筋と直交方向にはせん断補強鉄筋あるいはバリ部分が主筋と接触するまで奥に挿入する。

    図ー3.1 Eタイプの定着具

    プレート定着部と掛けられる鉄筋の配置関係

  • プレートが主筋に確実に掛かり、またコンクリート打設時の振動等によって動いたり回転したりすることを防ぐために、Head-barと掛けられる鉄筋を焼きなまし鉄線または適切なクリップで緊結しなければならない。
  • 鉄筋の組立てが終わった後、配筋検査を行う。
  • コンクリート打込み時には、プレート下部に空隙ができない様に十分注意する。

設計指針矩形プレート円形プレート

設計指針
設計指針.pdf

定着工法

適用範囲

本配筋仕様は、Head-bar定着工法による鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、プレストレスコンクリ-ト造およびそれらのプレキャストコンクリート造において、Head-bar定着工法を用いる下記1~6の鉄筋定着に適用する。

  1. 梁主筋および柱主筋の柱梁接合部への定着
  2. 柱主筋の基礎部への定着
  3. 基礎梁主筋の基礎部への定着
  4. 壁筋の柱、梁および壁への定着
  5. 小梁主筋およびスラブ筋の梁および壁への定着
  6. アンカーボルトの定着
定着範囲
定着範囲

プレート寸法

Head-bar形状

Head-bar形状

定着板の寸法

使用鉄筋

(注) 定着板鋼種は、JIS G 4051 に規定される S45C (非調質)。

使用鉄筋

鉄筋は、JIS G 3112の規定に適合する異形鋼棒とし、呼び径はD13~D41、鋼種はSD295~SD490とする。
鉄筋は、鉄筋メーカーおよび鉄筋形状に係らず適用できる。

Head-barの間隔

Haed-bar定着工法における柱、梁主筋間隔は、JASS 5 の規定による。

定着長さおよびかぶり厚さ

定着長さおよびかぶり厚さ

設計指針

設計指針
設計指針.pdf